DE ROSAには通常の生産ラインと異なるカスタムモデル専用のフレーム作りがあり、これをBLACK LABELと呼んでいます。その特徴は4つのフレーム素材、すなわちスチール、チタン、アルミ、カーボンから選べること。コンセプトはシンプルで、乗り手の身体に合ったフレームを提供することで、決して特別なことではありません。しかし、極力ひとの手をかけず、画一化されたサイズのフレームを作ることが是とされるこの時代に、DE ROSAがカスタムモデルを作り続けることには意味があります。
乗り手の身体に合わせてフレームを作ること。かつてイタリアのビルダーにとって当たり前だった仕事を、Ugo De Rosaは下積み時代に修行先から叩き込まれます。そして1953年の独立。職人としてのキャリアは浅いものの、Ugoの類稀な溶接技術による精緻な仕事は日毎に評価が高まります。その基礎となったのは先人から伝えられた乗り手の身体に合わせたフレーム作り。ここにUgoなりの解釈が加わり、以後、DE ROSAにとってフレーム作りの規範となりました。つまり、DE ROSAのBLACK LABELを選ぶことは、創業以来65年間に亘り、Ugoが伝え、昇華させたイタリアの自転車文化そのものを手にすることです。
また、Ugoは常に乗り手を想いながらフレームを作り続けました。これも子供たちや愛弟子に継承されたことです。遠い異国の乗り手とは会うことができないかもしれません。しかし、たとえ会えなくとも、オーダー表に書き込まれたサイズやデータに想いを馳せ、自分たちが組み上げた世界でひとつだけのDE ROSAがサイクリストの心を豊かにすることを願い、想いながら作ります。Ugoがそうしてきたように。
イタリアの自転車文化、そしてUgoの想いが込められたカスタムモデル。これがDE ROSAのBLACK LABELです。