カトーサイクルさんの個性
自転車ショップを見て回ると、お店ごとの個性を観察することが面白くなります。今回ご紹介するBLACK LABELに注力いただいているDE ROSA SHOP、愛知県名古屋市のカトーサイクルさんもそんなお店のひとつで、その個性が興味深く、そして面白く感じました。
名古屋の中心にあって、駐車場もしっかり確保されたカトーサイクルさん。店内に足を踏み入れるとまるで大規模チェーン店のように広く、その品揃えに圧倒されます。皆さんご存知のように自転車は多くのパーツで構成されているわけですが、カトーサイクルさんにはどんな部品もきっちり展示してあって、それぞれの数が多いこと。部品にはサイズやカラーがあるので、例えばハンドルバーと言っても何十種類もあるわけです。それが各部品とも同じように展示在庫され、もちろん完成車やフレームもしかり。DE ROSAもたくさん展示していただいています。
50周年モデルのCINQUANTAにもカトーサイクルさんの個性を強く感じます。
おじさんコーナー
カトーサイクルさんは終戦直後の創業で、今年で78年目の老舗。知る人ぞ知る、ヴィンテージものも驚くほどの品揃えで、以前は「おじさんコーナー」として店内でも隔離(?)されていたヴィンテージ部門が今では「カトーサイクルプラス」として独立店舗営業しています。といってもカトーサイクルさんの数件隣りですが。そして、おじさんこと加藤康弘さんは、ヴィンテージものの世界で誰もが知る有名人。各種イベントに出展してヴィンテージパーツの販売も精力的にこなす情熱的な方で、お世話になったサイクリストも少なくないはずです。12年ほど前に日本国内のDE ROSA販売店の店主さんをイタリアに招いたことがあって、加藤さんもCusano MilaninoのDE ROSAを訪問。スチールやアルミ、チタンの製造を熱視していたことを覚えています。写真はそのときのツアーのもの。DE ROSAのofficinaを見学した後、旧officina(旧工場)の屋上にて参加者一同のランチ。左のピンクのシャツが加藤さん。
カトーサイクルさんの自然体
カトーサイクルさんは圧倒的な物量を誇る自転車店で、もしかしたらビギナーの方にとって敷居が高く感じるかもしれません。しかし実際はそんなことはまったくなく、ビギナーや女性、小学生からお年寄りまで、文字通り老若男女が足を運びます。そのなかにはプロ選手や高校・大学の自転車部選手も珍しくなく、技術的な裏付けもあるわけです。
ではBLACK LABELについてはどうか。BLACK LABELはカスタムサイズやカラーが特徴ですが、カトーサイクルさんのスタンスは自然体。お店で販売する自転車は完成車が中心ですが、それでもフィッティングでパーツのサイズを換えたりパーツそのものを入れ替えることはよくあること。そのためには、即対応ができるように部品の在庫を多く持つことがお客さんのためになる。BLACK LABELは十人十色の好みやボディサイズに対応するのが基本であるからして、お客ファーストであるカトーサイクルさんのコンセプトとシンクロすることは至極当然であり、それゆえBLACK LABELに対して自然体なのかもしれません。
また「おじさんコーナー」の加藤康弘さんのヴィンテージものへのこだわりも、チューブを溶接でつないだ金属フレームへの愛着とリスペクトが、どこかBLACK LABLに重ねてみることができます。そんな加藤さんの背中を見ているスタッフ皆さんのスタイルがまた、カスタムフレームを求めてお店を訪れるお客さんへの接客と重なり、これがカトーサイクルさんの個性の一面となっていると、そう思うのです。
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カトーサイクル
名古屋市南区駈上2-8-26
Tel 052-811-3741
カトーサイクル | KATO CYCLE