辻さんにとってDE ROSAの原点は、22年前に乗ったスチールフレーム。細身のフレームはGEWISSチームのカラーでペイントされたモデル、Giro d’Italiaでした。CusanoのDE ROSAが、最新のMERAKをGEWISSカラーで塗るという返事に、辻さんは大興奮。でも、ちょっと待って欲しい。自転車はパーツが揃わないと乗れないよ。
…というのが前回までのお話。
PARTNERSHIP
Cristianoさんいわく…
「ミスター辻のMERAKはGEWISSカラーで塗るよ。パーツはCampagnoloならば我々で手配が可能だよ。つまりMERAKのペイントをミラノで行って、我々が手配したパーツをCusanoで組み込んで完成車にしてから日本に送る。パーフェクトだろ?」
それは素晴らしいプランだけど。
「せっかくミスター辻のバイクを作るんだ。同じスキームで、新たな選択肢として日本のユーザーに提案してみてはどうかな?」
カーボンフレームのカスタムペイントをイタリアでしてくれるのですか?
でも、カンパといえども、なかなかパーツが揃いませんよ。
「そこはDE ROSAとCampagnoloの関係さ」
なるほど、それは合点がいきますね。
2009年より11年間、イタリアで日本語版カタログの撮影を行ったDE ROSA JAPANは、幾度もCampagnoloの本拠地、Vicenzaを訪れました。その都度、多忙なCEO、Valentino Campagnolo氏自ら、撮影に協力してくださったのは正に両社の良好な関係から。上の写真は2019年モデルのカタログ写真。DE ROSA社のCEO、Cristianoさんと、Campagnolo社のCEO,Valentino Campagnolo氏。ともに両社の二代目の代表です。
2013年モデルのカタログでも触れましたが、Campagnolo創業者のTullio Campagnolo氏(写真のValentino氏の父君)は、DE ROSAの創業者であるUgo氏が駆け出しのメカニックだった頃から、陰に日向にサポートを続けてきました。そして両社(両家)の良好な関係は世代を超えて、いまも続いています。
Cusanoからの提案
辻さんのMERAKをきっかけに、DE ROSAは新たな商品ラインを日本向けに構築するというCristianoさんからの提案。それは、従来は設定の無かったカーボンフレーム(IDOL、SK Pininfarina、MERAKの3モデル)にカスタムペイントを施したCampagnolo組みの完成車。コンポーネントはCHORUSかSUPER RECOR(EPSも可)に限られますが、現在のラインアップにはない、カーボンフレームのカスタムカラー完成車は、確かに「自分仕様」のバイクを組み上げる際の選択肢となります。
話を辻さんのDE ROSAに戻しましょう。
Cristianoさんが辻さんのバイクをGEWISSカラーでペイントすると宣言してから数週間、Cusanoから写真が送られてきました。
(続く)
第6回は今週末3連休のどこかで掲載予定