昨年の9月。若き日々の郷愁か、それともCuoreの導きか。不思議なご縁で、22年のときを経てDE ROSAに乗ることになった辻 善光さん。このプロジェクトが芽生えた時、辻さんの自転車への情熱を機材でサポートするDE ROSA JAPANとしては、スチール、チタン、アルミ、カーボンフレームのバイクをそれぞれ乗り込んでいただき、ご自身の言葉でその魅力を発信していただきたいと考えました。それにはまず、日常のパートナーをご用意しないと。
辻さんと相談した結果、やはり元プロロードレーサーだけに、DE ROSAの最新カーボンフレームバイクが気になられたようでした。そこで、まずはTeamCofidisが駆るSK PininfarinaとMERKをじっくり乗り比べていただいた結果、辻さんの(最初の)愛車は純白のSK Pininfarinaとなりました。
しかし。辻さんはMERAKよりもSK Pininfarinaが気に入ったわけではありません。両モデルともお気に入りで、SK Pininfarinaはバネ感のある加速が魅力で、高い速度をキープしやすい。片やMERAKは、どの速度域からもでも加速することができて、ダンシングだけでなくシッティングでも走りの軽さを感じた、とのこと。今回は、SK Pininfarinaの準備が先に整ったということだったのです。
というわけで、普段はSK Pininfarinaに乗る辻さんですが、打ち合わせで当社にご来社いただくたびに、なぜかMERAKの試乗を繰り返し行う辻さん。うーん、日に日にMERAKが持つ魅力も気になるようです。しかしDE ROSA JAPANとしても、DE ROSAを代表するレーシングバイクを、辻さんにとことん乗り込んでいただき、オフィシャルサイトやSNSを通して、その魅力を広くお伝えしたいところなので、これはこれで大歓迎。
辻さんがSK Pininfarinaと暮らすようになって約半年。そこで、そろそろ相棒をMERAKにと提案したところ、思わぬ返事がありました。
「いやぁ、惜しいんですよ。ホントに惜しい」
えっ!? 惜しいって何がですか?
(続く)
ー第2回は3月第2週の「どこか」で掲載ー