早春の午後、瞬時に押し寄せた高波から5年と9か月。ちょっとしたご縁から、DE ROSAがささやかながら応援を続ける復興支援のイベントが、今年も温かい空気に包まれて無事に終了しました。福島県・相双地区の「いま」を撮影して応募する「みんなの写真コンテスト」。その応募作品の表彰と展示を行う「みんなの写真展」が昨日、福島県南相馬市の市民情報交流センターで行われました。4回目を迎えた今回も、我々はDE ROSA賞としてMilaninoのJourneyをご用意しました。さて、今年のDE ROSA賞は…。
鈴木彩代さんの「輝く海と地元を愛す娘達」に決定しました。
鈴木彩代さんは市内の高校に通う18歳(あ、17歳かもしれません)。受賞作ですが、実に素晴らしい構図です。砂浜に斜めに突き刺さる空っぽの額縁の中、何を想い、考え、海に目を落とすのか、後ろ姿のふたりの少女。でもしかし、難しい問題は山積みだけど、輝く海も、地元を愛する郷土愛も決して変わらない。そんな力強いメッセージを高い完成度の美しい一葉から感じました。いつの日か、現実という真っ直ぐな額縁の中で、地元の海をバックに微笑む彼女たちの写真をみてみたい、そんな衝動に駆られました。鈴木さん、おめでとうございます。これからも輝く海を、地元の風景や人を撮りつづけてください。そしてMilanino Journeyとともに素敵なサイクリングライフをお過ごしください。それから大事なことがひとつ。自転車の到着まで少しだけお待ちくださいね。(この「少しだけ」がクセものなのですが…)
そしてもうひとつ。ちょっとイイ話を聞きましたので記しておきます。皆さん、1年前の「くまモンショック」(笑)はご記憶でしょうか。このくまモンのストーリー、実は後日談があったのです。くまモンがCusano MilaninoのDE ROSAを電撃訪問したのが昨年の10月。翌月のサイクルモードではDE ROSAブースのステージに登場して、圧倒的な存在感を発揮してくれました。実はこの時、南相馬市への訪問をお願いしたところ、くまモンはちゃんと現地を訪れ、ちびっこたちと楽しいひと時を過ごしてくれたのです。こちらがその時の記念写真。ちびっこの顔がよいこと!
そして迎えてしまった2016年4月。熊本地震で現地の惨状に胸を痛めた南相馬の人たちは「みんなでくまモンに恩返しをしよう」と立ち上がり、募金を始めました。この時、先頭に立ったのが南相馬のご当地ヒーロー「相双神旗ディネード」さん。彼らがショッピングセンターなどを回り、募金箱を設置して、集まったたくさんの「気持ち」は熊本県に届けられたそうです。(写真:相双神旗ディネード公式ブログより)
一連の震災で被災したのは南相馬や熊本県だけではありませんが、小さな活動でも続けることにこのようなアクションは意味があります。DE ROSAとしてもできることは限られますが、小さな活動が大きな意味へと波及することを信じて、これからも陰ながら皆さんを応援したいと思います。だってなによりも、福島も熊本も、自転車乗りには最高の環境なのですから。(写真:宮井正樹)
なお、コンテストへの応募写真や入賞作品は、南相馬市のイオンスーパーセンター南相馬店の特設会場で展示中です。現実や未来、そして希望。写真一葉に込められた想いの想像を掻き立てるのは、写真に添えられた撮影者のコメントです。毎年記していますが、機会があれば是非とも南相馬まで足を運んでみてください。必ずや感じ入ることがあるはずです。特設会場での展示は12月18日(日)まで。
https://www.aeonsupercenter.co.jp/minamisouma/